エアコンクリーニングはしなくてもいいですか?
- Clean Step
- 2022年3月22日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年8月3日
日本では、2~3年に一度クリーニングが必要とされています。
例えば、ご自宅の扇風機を2,3か月使い続けると、羽根やカバーにたくさんのホコリがつきます。もし、ホコリが付いたまま、しかも水でスプレーしてから、密閉して数か月保管したらどうなるでしょうか?開封したら、カビが繁殖して臭くなっていると思います。
エアコンには、送風ファンだけでなく、熱交換器があり、そこで冷媒ガスによって冷やされたアルミの熱交換器と入ってくる空気が接触して、冷やされた空気が送風機で室内に送られてくるという仕組みになっています。
でも、暑い夏の日、冷たい水が入ったガラスのコップの外側に水滴がたくさんつくように、冷たい熱交換機にもたくさんの水滴ができ、下の排水トレーに流れて排出されています。そして、その水滴は、水切りをしていないお風呂場の壁のように水滴が一定量残っているんです。お風呂場と違い、エアコンの熱交換器は扇風機のように部屋中のたくさんのホコリやばい菌も吸い込んでいます。細かいほこりや菌類はどんなフィルターをすり抜けて熱交換器の水滴に付着します。そして、そこでカビになったり、ばい菌は繁殖したりするわけですね。
しかも、受け皿の排水トレーはとても緩やかな角度に設定されているため、ドロッと落ちてきた重いホコリやカビのかたまりを流しきれず、そのトレーに溜まったままになってしまっているんです。

そして、前述の熱交換器ですが、ホコリやカビが付着してしまうと、空気とじかに接触できないので、空気はただカビの間を通り抜け、あまり冷やされずに室内に送り込まれます。そういうわけで、汚れてくるとなかなか冷えず、電気代も上がってしまいます。
カビの間を通った空気は、途中通過する、送風ファンや風向ファンなどにもカビを付着させていきます。

この状態でエアコンのルーバーを閉じて放置すると、カビがどん
どん繁殖する環境が整ってしまうというわけです。
ホームセンターなどで売っているエアコン洗浄スプレーで自分でできると考えておられる人もお

られますが、ある程度の効果しか望めないというのが真実です。
理由として、その商品は熱交換器だけを洗浄するもので、他のところはできないので、すでにカビてしまった、送風ファンなどもそのままです。一気に汚れが落ちてきて排水トレーに流れ落ちますが、水でしっかり流さないので、そのまま蓄積します。そして、素人では、熱交換器の前面や周りのカバーや付属品を取り外せないので、スプレーが届くところしか吹きかけられません。斜めに吹きかけて隅まで届くようにスプレーした結果、右サイドの電気基板にもかかってしまいショートしたり、故障してしまったという相談を時々受けます。そうなると、基板交換しかありません。
お掃除機能付きエアコンはクリーニングをしなくてもいいと勘違いされている人もいます。確かに商社は、そういうトークでセールスしているかもしれませんが、仕組みを考えてみる必要があります。簡単に考えると、お掃除機能付きエアコンは、集塵フィルターの手前に掃除機がついていると考えると分かりやすいと思います。こまめにフィルターを掃除する手間を機械が自動でしてくれるというものです。そのホコリをそのまま、壁に開けた排出口から、外に吹き飛ばしてくれるものと、室内機の集塵ボックスに溜めるものがあります。放っておいていいと勘違いしてしまうと、ホコリが小さなボックスから溢れかえってエアコン内に逆流してすごいカビが生えていたというお客さんもいました。また、エアコン取付業者は、できるだけ短時間で取り付けて次の物件に行きたいので、作業手順を飛ばして取り付けることもあります。それで、外への排出口を開けないといけないのに、それをしなかったために、吸い取ったホコリをまとめただけで、またエアコンに吸い込まれているという悲しい物件も見てしまいました。

正しく設置されていたとしても、残念ながら今の技術では限界があり、フィルターで、すべてのホコリやカビの粒子をキャッチすることはできません。pm2.5用のマスクのようなフィルターを付けたら、空気があまり入ってこなくて、モーターが焼けるかもしれないですね。
それで、フィルターやその周りのいろんな隙間から必ずホコリとカビは吸い込まれて熱交換器に付着します。
ハイテクエアコンのお掃除機能として、熱交換器を一時凍らせてホコリを固め、そしてまた常温に戻すことによって、氷と一緒に排水トレーに流すというエアコンもあります。熱交換器のメンテナンスクリーニングとしては、このアイデアはかなり効果があるのではないかと思います。まだこのタイプのエアコンクリーニングは受注したことがないので、あまり感想を言えないのが真実です。しかし、もう一歩、排水トレーを工夫しないと、やはり汚れはそこに溜まってカビは排水トレーから繁殖すると思います。
熱交換器と、排水トレーの接触部分の距離や、排水勾配なども工夫してエアコンクリーニングのほとんどいらない機種が生まれるのかどうか楽しみです。
でも、かなり高額になってしまうので、個人的には、扇風機みたいに素人でも取り外して、水洗いできる機種ができた方がいいのではないかと考えています。
まとめ;
エアコンクリーニングは、最低でも2~3年に一度は必須。
ホームセンターなどで売っているエアコン洗浄スプレーは熱交換器部分の洗浄だけで、汚染源を洗浄できない。お掃除機能付きエアコンも、フィルター清掃を手伝ってくれているだけで、内部のカビを洗浄することはできない。
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